聖書の成り立ちと信憑性

聖書の成り立ちと信憑性

聖書は真実の書であるという信憑性はあるのでしょうか。聖書の成り立ちはどうでしょうか。

 

 旧約聖書の成り立ち

旧約聖書がどのように今の形になったのかが書かれている記録はありません。長い年月の間に書かれた多くの文献が、編纂されていき現在私たちが手にしている旧約聖書になったのは事実だと思います。その編纂の記録が残っていはいないのです。ただ他の古代の文献には、ユダヤ人たちが使っていた聖書(クリスチャンは旧約聖書と呼んでいる)について言及されています。それでも2つの学説があります。どちらも重要なので書き記しておきます。

  1. 近年まで伝統的にお知られてきた学説
    • 旧約聖書に書かれているエズラの時代に、現在の正典である24巻がまとまった。
    • 3段階の過程で正典として認められた。モーセ5書と呼ばれる律法は前5世紀に、預言書は前3世紀に、諸書は後90年にユダヤ教学者が集まったヤムニア会議で決定された。
  2. 上の学説は最近では否定されつつある
    • 現在の研究ではユダヤ人の間ではヤムニヤ会議があったかどうかも疑わしいと考えられている。
    • 巻の数は、22巻であったり24巻であったり文献によって違う。1巻を2巻と数えたりする場合があり、数え方によって数字が違ってしまう。
    • いずれにせよ、暗黙の事実として24巻(22巻)の書を正典として認めていたと思われる。
    • ユダヤ人ラビ先生(前130年)であるベン・シラは律法、預言書、諸書に分けている。
    • ユダヤ人歴史家ヨセフス(後38年ー100年ごろ)が聖書は22巻だと書き記している。
    • 後1世紀に書かれた2エスドラス書に記されている。ユダヤ教では伝統的に24巻と定めている。

 

 新約聖書の成り立ち

新約聖書が書かれた過程は、比較的はっきりしています。キリストが十字架にかけられた死んで復活後、キリスト者が集まりイエス・キリストの名によって神を礼拝し始めました。これがキリストが建てた教会です。原始教会は、私たちが今手にしている聖書は持っていませんでした。使徒たちの教え、またはキリストが言った言葉のメモ書きのようなものを基にお互いに教えあっていたのです。その後、パウロという使徒が諸教会に手紙を書きました。それが今新約聖書に残されている数々の手紙です。さらにイエス・キリストの生涯について書いた福音書が書かれたのです。1世紀の時代には、それでも正典としてはまとめられていませんでした。

新約聖書の正典化は2世紀から4世紀にかけてなされました。正典としての新約聖書の結集は、4福音書・使徒行伝、13のパウロ書簡から始まり、ヨハネの黙示録を2世紀末に加え、議論の焦点にあった公同書簡7つを最終的にすべて認める形で進行しました。新約聖書の範囲が事実上確定するのは4世紀後半であり、397年のカルタゴ教会会議において西方教会の聖典が正式に承認されました。

新約聖書の時代、1世紀の大まかな年表を掲載しておきます。1世紀に書かれた歴史的文献から、(学者の間で一般的に受け入れられている学説として)大まかな年度が理論的に推測されています。福音書が書かれた年度は、諸書の学説に違いがあるのでここでの掲載は控えさせていただきます。ある程度の推測は出来ますが、多少の誤差があるのは当然です。

新約聖書 年表

  • 34-35           パウロの改宗
  • 35-37           ダマスカス、アラビア
  • 37                     パウロのエルサレム教会訪問(使徒行伝9:26-30)
  • 41                     ゼベダイの子、ヤコブの死(使徒12:1)
  • 44                     ヘロデ・アグリッパの死
  • 45-47           飢餓、クラウディアスの時代(使徒11:27)
  • 47-48           第一伝道旅行(使徒13:40-14:28)
  • 49                     エルサレム会議(使徒15)
  • 49                     クラウディアスの命令
  • 4?-51           セルギオ・パウロがキプロスの地方総督(使徒13:4-12)
  • 49-51           第二伝道旅行(使徒15:39-18:22)
  • 51                     ガリオがアカヤの地方総督(使徒18:12)
  • 52―57           第三伝道旅行(使徒18:23-21:17)
  • 55                     1コリントの手紙(エペソから)
  • 56                     2コリントの手紙(マケドニアから)
  • 56-57           ローマへの手紙(コリントから)
  • 57                     エルサレム(使徒21)
  • 57-59           カイザイリヤ(使徒23-24)
  • 60-62           ローマの手紙(使徒28-29)
  • 60                     コロサイ、エペソ、ピレモン、ピリピ(ローマから)
  • 62-64           東への伝道旅行
  • 64                     1、2ペテロの手紙
  • 65                     ペテロの死
  • 65-66           1、2テモテの手紙(ローマから)
  • 67                     パウロの死(ローマ)

(The International Standard Bible Encyclopedia Vol.1, p.693; D.A. Carson, Douglas Moo, and Leon Morris, An Introduction to the New Testament, 231)

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